猫から飼い主への手紙

猫を飼っておられる方々に、是非ともお読みいただきたいTorajaの手紙です。20074月に初版が発行されましたが、諸般の事情で再出版がかなわず、電子書籍で対応して参りましたが、それも絶版となり、中古の書籍が3万円越えの価格で販売されることなどがあり、大変憂慮しておりました。

2014624日、多くの読者をもつ米国の同志が私どものe-Bookをブログで公開してくださり、どなたでもお読みいただける体制が整いました。お一人でも多くの猫の飼い主さんに、ペットの飼い主さんに、そして、


精油を使って猫を治療しておられる獣医師の皆さんに、また、世界のアロマ関係者すべての方々に、読んでいただきたいと心から願っております。


書籍の画像にアクセスしてしばらくお待ちいただくと、次のページへ移る矢印が現れますので、順に全ページをお読みいただけます。PDFファイルとしてダウンロードいただくには、5ドルの寄付が必要です。

2016年7月 4日 (月)

ネコに精油が危険だという学術報告がない!?

インターネットが普及し、私ども協会の活動にも様々なご意見やらご批判があります。

なかでも、「猫に精油が危険だという学術報告が一切ない
!」とおっしゃる方もおられます。精油は猫に危険ではない、とまでブログで書かれておられます。学術研究を検索なさったとのことですが、どうぞ、下記のようなキーワードを入力なさってみてください

ugt1a6 cat stop codon

ugt1a6以外にも、猫類には代謝酵素に関する遺伝的弱点を指摘する学術発表を読むことができると思います。オスとメスで、活性が異なる代謝酵素もあります。

肝 臓第二相の代謝の1/3以上をになうugt1a6の活性がないということが学術的に報告されているのです。この報告がなさったのは、動物学者でも、精油の 研究者でもありません。人の薬物動態学専門家が、たまたま、動物園で様々な動物の血液検体を得られたのでしょう。薬物代謝に極めて重要な代謝酵素に関する mRNAの分析を試みて、野生の猫類を含めた検査対象にしたネコ種すべてで、当該酵素の遺伝子の終止コドンに異常があることを報告したのです。

この代謝酵素の遺伝子は、以前は活性がないことから偽遺伝子だと報告されてきました。
他の動物種では使える薬剤が猫では使えないというものがあるように、xenobiotics (薬物や毒物などの生体外異物)に対する反応は、特殊な機構なのです。

私が学生時代に実習をしていた動物病院では、避妊手術をするのに、残酷きわまりありませんが、猫は無麻酔でした。当時の麻酔薬を犬には使えても、猫では事故が多発していたためです。

精油は上記のxenobiotics(ゼノバイオティックス)に属します。各動物種の代謝を勉強することなく、安易にアロマセラピーを実施することは、命にかかわることがあることを認識していただきたいと願っています。

精 油ばかりでなく、洗濯に使う柔軟剤に含まれるカチオンディタージェント;陽イオン海面活性剤も動物たち、特にネコには猛毒になりますので、十分ご留意下さ い。ネコにおける精油はハイドロゾルの危険性や、柔軟剤の危険性は、米国Animal Poison Centerでも注意報が出ています。同センターの獣医毒物学者のDr.Kahnが、以下のサイトでネコとアロマの危険性をわかりやすく解説しておられま す。

http://www.thelavendercat.com/images/PDF-TheLavenderCat_temp_use.pdf

2016年3月29日 (火)

ベルギーの自爆テロ

私どもの教会の会員にベルギーのアロマセラピストさんが登録されています。

先日のテロ事件の際に、ご連絡をさしあげても、なかなかお返事がなく、
大変心配しておりました。

ご友人のお嬢さんが襲撃された空港のチェックインカウンターにいて、
重度の火傷で入院なさっているとの連絡が入りました。
ご自身のご家族は、皆ご無事だったそうですが、本当にいつあのような
事件に巻き込まれるかわからない時代、1日1日が大切ですね。

今日から安保関連法が施行されます。人類は、きっと滅亡のために
努力をしているのかも知れません。

2016年2月15日 (月)

気分高揚にはシトラス系精油?

アロマセラピー関連のブログにもよく登場する情報です。アロマ教育機関が提供する教科書にもきっと記載されているのでしょう。シトラス系の精油には、気分を高揚させる効果がある‥等です。

シトラス系精油の主要成分を用いたそこそこ大規模な実験がなされましたね。d-リモネンを心地よいと感じる被検者でないと、そういう効果が得られないことがわかりました。シトラス系精油の実験で、種々の異なる結果が得られていることを裏付けるような調査ではないかと思います。

それはその通りだと思います。いくら真正ラベンダーに鎮静効果があると言っても、ラベンダーの香りが嫌いな方であったら返って逆効果です。世の中、真正ラベンダー精油だと言って販売されている商品の95%以上に何らかの偽和があると言われる時代です。鎮静効果どころか、ラヴァンジン精油が混じてカンファーの含量が多ければ興奮作用がみられる場合もあるでしょう。 動物のアロマセラピーでも鎮静効果を期待する場合は、ブレンドオイルに対する動物の同意を得てから使用するのが鉄則です。

それ以前に、本年(2016年)、フランスの大学より、一般人が精油の成分に感作される事象が増えているため、大変懸念されるという論文も発表されました。ちなみに、精油の皮膚感作情報を一冊の本にまとめたのは、私のアロマの恩師、マーチン・ワットです。長年、欧州で乱れに乱れているアロマ情報に反旗を翻しておりましたが、昨年、完全に引退をいたしました。今でも、とてつもない頑固爺さんです。

日本アニマルアロマセラピー協会  田邉和子

2016年2月 8日 (月)

酢酸リナリル

ラベンダー精油などに含まれる酢酸リナリルのお話です。ラベンダー精油と言えば、主成分はリナロールと酢酸リナリル! のように、それぞれのアロマ教育期間で習ったかと思います。こういう成分の名称を挙げると、成分の化学的なお話をしているようにみえますが、生化学辞典を調べてみて下さい。リナロールという化学物質を探してもどこにも出て参りません。さすが、メントールほど有名になると、この辞典に登場し、特別扱いです。

 

リナロールとか酢酸リナリルという名称は、アロマ界の慣用名であり、アロマセラピーや精油の知識のない化学の専門家にお話をしても、全く何のことを話しているのかわからないことがあると言うことです。アロマ界で使うニックネームのようなものですね。化学界には国際的な基準があり、IUPAC命名法に従ってそれぞれ精油成分は正式な化学名が付されています。と、いいましても、この命名法にも様々な命名様式があり、一律ではありません。このことを知るアロマセラピストは少数です。

 

よく、酢酸リナリルが水蒸気蒸留の過程で生成される化合物だとおっしゃる方々がおられます。ブログなどに書かれていらっしゃる方も多いかと思います。高山林太郎氏も生前にそうおっしゃっておられたので、多くの方が信じておられるでしょう。

 

情報発信する時は、誤った情報を発信しないように、どうぞ確認作業を怠らないで下さい。酢酸リナリルは、二酸化炭素を溶剤として利用する抽出法でも、しっかり抽出される成分です。水蒸気蒸法の場合より、高い濃度である場合もあるくらいです。

2016年1月 9日 (土)

アロマ学術論文???

2015年の暮れのこと、某大学の研究者らより、ラットの不死化視床下部神経細胞を用いて各種精油の神経内分泌学的な作用を評価する in vitroの実験が学術報告なされました。

 

ローズ精油(それも何故か、学名が単にRosaとい記されたローズ精油とRosa damascenaDamask roseと記されたもの)2種をはじめ、20種を超える精油が実験に使われています。せっかくの実験なのに、残念無念としか言いようがありません。

 

研究者らは、抽出されるバッチごとに精油の成分は変化することをご存知ない。本物のローズ精油の入手は至難の技だということもご存知ない。精油の成分分析データが付されておらず、利用なさっている参考文献も?マークが一杯のものばかり。

 

実験に使われた精油が偽和のないものか、合成香料入りなどのまがいものなのか、手がかりとなるものが全く記載されておりません。

 

アロマの学術研究の方法論がもっと真剣に議論されるべきだと感じています。

XX精油がXXに効く、というような情報ばかりが世界中の医療関係者から日々流されています。国際的な学術雑誌に記事が採用されたから、ということだけで信頼できる情報だとは決して思わないでいただきたい。

 

また、人のアロマセラピーの情報をそのまま動物にあてはめようということもなさらないでいただきたい。

 

かわいい動物たちの命を守るために、私たちは2016年もより一層頑張りたいと思っています。

 

日本アニマルアロマセラピー協会  田邉和子

2015年12月19日 (土)

無視される精油の真偽

アロマセラピストの皆さん、ご自身が利用している精油の質を疑ったことはありませんか。近年、学術的な研究をなさっておられる精油の分析者たちが、異口同音に市販の精油のほとんどに人工的な手が加わっていると公言なさっています。

 

その人工的な手を加える技がますます巧妙になり、放射線炭素を用いた年代測定で、精油成分の中核となる炭素を調べないとわからないところまで来ているとか。植物から抽出したばかりの成分と、化石燃料、いわゆる石油系の化学物質を利用した香料などが混じている場合のことが取りざたされる時代に突入しています。著名な精油分析者であるDr.Pappasがフランキンセンス精油を例にとってお話しされているのを聞きました。

 

精油分析の専門家でも検出できないカラクリがあり、一般のアロマセラピストには打つ手がありません。最近、欧州の著名な精油の分析者と情報を交換する機会に恵まれましたが、Dr.Pappasの情報はご存知ないようでした。

 

分析者がいて、当該製品のLotごとに分析値を付して精油を販売している会社があります。そういうデータのほとんどはGC/FIDによる分析で、成分が確実に同定されている訳ではありません。アロマセラピーの研究をする際に、そのままその値を学術報告に使うことはできないのです。その精油販売会社の研究室にGC/MSが備わっていて、十分な分析データが蓄積されていれば、ラフな推定値ということで、日常的な精油の使用にはそれなりの参考値にはなるかと思います。そういう精油販売会社に、分析装置の詳細を質問し、分析の条件などを問い合わせても、ほとんどの場合、回答は得られないでしょう。

 

ある海外の大学で精油分析の受託サービスを行っているところがありましたので、問い合わせをしたところ、分析を快諾して下さいました。しかし、GC/FIDのみで、質量分析装置がないようでした。当然、分析装置のパラメーター(温度やカラムのサイズなどの条件)の提供が可能か否かのお話しをすると、突然E-メールは通じなくなってしまいました。

 

アロマセラピーでは利点ばかりが強調されて、研究者が使っている精油の真偽に関する情報を私たちは得ることができないことがほとんどです。研究に使われている精油に偽和があったとしたら、その研究発表の内容は、学術滴根拠になるでしょうか。アロマセラピーに関する学術報告を総ざらいするべき時がきていると感じています。

 

精油販売会社には、生産者に直結していて、そのルートの製品であれば信頼できる企業があります。ある精油販売会社で数多い種類を扱うところでは、製品すべてが本物だという保証はどこにもないのではないかとも感じています。

 

特にアロマセラピー用精油は、世界の精油の全取引量で数パーセントにしかなりません。食品業界や化粧品業界にドラムで大量に取引される精油を小さなボトルにつめると、1本数万円にもなる製品があれば、様々な組織がアンダーグラウンドで動くことでしょう。フランスのラベンダー農園のHenri Pouchon氏は、自身の農場で年間50tのラベンダー精油を蒸留していますが、彼の農場産ラベンダーだというふれこみで、年間、海外に250t輸出されていると公言して嘆いておられます。このPouchonおじさんに、当協会セミナーの受講生が実際に農場を訪ねて会ってきています。フランス産のラベンダー精油、一体、どこで水増しされるのでしょうね。

 

精油業界も、ペットフード業界も、本当におそろしいことばかりで、心の平静を保つことができません。世界最大手の精油販売会社に対してカリフォルニア州政府から、販売する製品(精油を利用した化粧品や食品も扱う会社です)の多くに鉛が検出されたため、警報が出されました。ごく最近のことです。この企業は、自社の精油であれば猫に安全と言っているので、許せません!ケモタイプ精油(この用語自体が商標登録されています)であれば、猫に安全に使用できると教育している日本のアロマ教育団体もあります。猫に精油が安全だという根拠を学術的に示していただきたいものです。

 

日本アニマルアロマセラピー協会  田邉和子

2015年11月21日 (土)

猫における精油のリスク

以前、大手の精油販売会社に猫における精油のリスクをお話しさせていただいた折に、証拠をみせろ!と言われたことがあります。

化粧品でも動物実験が許されない時代に、どうして精油の危険性に関して猫を利用する実験ができるでしょうか。今までの事故の事例報告を集めて、また、学術的な猫の遺伝情報を研究して、人類や犬などの動物には備わっている精油を無毒化する酵素が猫にはない!というだけで十分な理由になるはずです。 NTTコミニュケーションズさんは、TVやネットでのアロマ情報発進時には、猫にアロマが危険だという情報を流してくださるようになりました。AEONに入っているある専門店では、一部の精油を販売していますが、精油を購入しようとなさるお客様に、猫を飼育していないかどうか確認して下さっています。ある時、お客様がそのお店の店長さんの説明に感動して、そんなお店は初めてだと、AEONに御礼を述べたと聞いています。そのお店のおかげで、猫の命が救われています。

お洗濯時に使う柔軟剤で、アンモニアなどの陽イオンを放つ製品に含まれるカチオン界面活性剤は、犬/猫共に有毒なので、注意が必要であることを知っていてください。柔軟剤には、パウダー化された人工香料もふんだんに使われています。どれほど、動物にとっては香害かを認識していただきたいと願っています。

日本アニマルアロマセラピー協会  田邉和子

2015年10月23日 (金)

日本と欧州で異なるローズマリー精油の分類

痴呆症の予防に効果があると、某大学の関係者が発表し、それにマスコミが飛びついたことが原因でしょうか、高齢者たちから「アロマのお薬」と呼ばれ、そのブレンドに使うローズマリーなどの数種の精油が、町のアロマショップの棚から姿を消しました。

 

その後、喉がヒリヒリするなど、お年寄りたちが精油の副作用に悩まされ、その原因が精油にあることに気づいたアロマセラピストはほとんどいないようです。1,8 cineoleに細胞傷害性があることを知るセラピストさんも限られています。恐ろしいと思いませんか。終日、このような副作用がある精油を嗅がされていたら、気道の粘膜も傷つくでしょう。当然のことですね。

 

ローズマリー精油は日本でも、ケモタイプがある精油として知られていますが、そのケモタイプを分類する方法が、日本と欧州で異なることを知るアロマセラピストも限られています。

 

欧州で示されている成分の変動範囲:

α pinene      2.557%

1,8 cineole      542%

camphor          126%

borneol            115%

 

このため、欧州では αピネン、1,8 シネオール、カンファーの3つのケモタイプに分類することも多いとのこと。

 

このように成分が変動する精油を、特定の病気を予防できる効果があるなどと一般向けに発表するのは、精油のことを知らない方々に違いありません。ラベンダー精油1つとっても、ボトルごとに成分が変動するのです。特に医療(獣医療)で精油を用いて実験をする時は、実験者は利用する精油を自分たちで分析しなくてはなりません。製品に付されている分析表を信じることほど、あやういことはありません。ケモタイプ精油であればだいじょうぶだと習った方はおられますか。「ケモタイプ精油」という用語が商標登録されており、分析データがついている精油をすべてケモタイプ精油というのだそうです。

この企業を設立したフランスの著名人の経歴詐称が取りざたされています。

フランスのメディカルアロマ教育の根本が問われます。

2015年10月16日 (金)

アロマトピア 11月号

フレグランスジャーナル社のアロマトピア11月号にて、「動物のアロマセラピーにおける禁忌について」という記事を執筆させていただきました。

アロマセラピーでやってはいけないこと、とても大切な情報です。まもなく出版されると思いますので、多くの方にお読みいただきたいと思います。

2015年9月16日 (水)

これで何がわかるでしょうか。

Lavendergc

私どものセミナーを受講なさるアロマの有資格者に、精油成分の分析に関して質問をすると、「ガスクロ」で成分分析が可能だというお答えが返ってきます。ほとんどの方々が、精油の化学について正しい勉強をなさっていないことがわかります。

 

上の画像は、正に真正ラベンダー精油でガスクロマトグラフィーを行った際のクロマトグラムです。このデータから当該ラベンダー精油でわかることは、とがった山の数(含まれる成分の数)と、1つ1つの山に関して、底辺までの三角部分にあたる面積をコンピュータで計算し、それぞれを合計し、合計面積を100として、1つの山の三角部分の面積が全面積の何%に当たるかしかわからないのです。その面積比(area% ;英語では正に面積比という用語が使われます)を私たちは成分比として利用します。

 

どうぞ、ガスクロマトグラフィーを行うと得られるクロマトグラムから精油の成分のすべてわかると思わないで下さい。ちなみに、クロマトグラフが装置のことだとご存知だった受講生も皆無でした。

«日本アニマルアロマセラピー協会でレシピを公開しない理由