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2015年8月

2015年8月30日 (日)

日本アニマルアロマセラピー協会でレシピを公開しない理由

以前、フレグランスジャーナル社の講演である獣医師の方から、なぜ症例を紹介する際にブレンドのレシピを明示しないのか、という質問を受けたことがあります。

よくアロマセラピー関連のブログなどをみると、こんな症状にはこのレシピーというような表示がなされています。きっと、アロマの教育機関でも、Aといレシピはこれこれの症状に、Bというレシピはこれこれの症状に効果的だというような情報を提供なさっていることと思います。 私どもが使う精油ブレンドのレシピを公開しないのは、良識ある精油の分析化学者たちが、異口同音に市販の精油の95%以上に人工的な手が加わっていると公言なさっているからです。

精油の偽和の問題を別にしても、精油中に含まれる成分も、ロット/ボトルごとに異なります。偽和のない精油の入手が極めて困難な状況下で、レシピだけが一人歩きをしたら、どんなリスクがあるでしょうか。精油の種類と滴数が書かれているレシピで、まったく同じブレンドをつくることは不可能なのです。

人のアロマセラピストは動物のアロマセラピストにはなれません。なぜなら、動物は種ごとに肝臓の酵素の種類も数も異なることが判明しており、今では遺伝子レベルでその差が解明されています。そのことを知らずに、レシピだけの情報を得て、自分のペットに試そうと思う飼い主さんがいたとしたら、動物の生死にかかわる事象が起こり得るのです。

精油成分は、動物の体内の種々の酵素に対して大きな影響を及ぼすことも解明されつつあります。そういう代謝に関する情報を得ずに、具合の悪いペットに、ネット上にある情報を鵜呑みにし、いきなり市販の精油を使うということは、あまりにも無謀だというほかありません。今受けている動物病院で出されているお薬と、相互作用も懸念されます。安易なペットのアロマセラピーは、決して行ってはなりません。

2015年8月22日 (土)

耳の日光浴で菌交代現象

過日、耳に太陽光線を照射して、マラセチアの増殖がおさまったお話をいたしましたが、その後、耳を異常に痛がるので後輩の獣医師の病院で、耳鏡による観察をしていただきました。痛がるはずでした。耳の奥に膿がいっぱいたまった状態で、内外の耳道もひどい炎症を起こしていました。

 

日光浴が原因で、菌交代現象が起こってしまいました。微生物の培養/同定をお願いしましたところ、大腸菌、緑膿菌、腸球菌、黄色ブドウ球菌、プロテウス属の細菌で大変なことになっていました。ほとんどが種々の抗生剤に耐性を示すやっかいな微生物でした。

 

結果が出たところで、私どもの協会で利用している多目的ブレンドの滴下をすることにしました。起きている昼間は、3時間おきに2滴ほど滴下、夜寝る前にも2〜3滴のブレンドオイルを滴下し、届く範囲の耳介の内側をコットンで拭くような処置をいたしました。ブレンドオイルには、鎮静作用のある精油も入っていますので、よく寝てくれます。

 

処置をして4日目、症状が非常に改善されてきましたので、ブレンドオイルの治療を中止しました。それから数日後、初診からは11目になりますが、耳鏡により、中を確認していただきました。

 

もう、びっくりするほど綺麗な状態で、膿もなく、緑膿菌が少量存在するのみで、元気な犬の耳の中と同じ状態でした。その後、数週間経ていますが、まったく問題なく過ごしています。

一番驚いたのは、後輩の獣医師でした。

 

このような耐性菌の感染が起こると、非常に厄介でなかなか治ることがないとのこと。彼は精油による治療に半信半疑でしたが、正しい精油を上手に使うと耐性菌ができにくいというお話をさせていただきました。精油の抗菌作用が、どちらかというと消毒薬に近いメカニズムで微生物に作用するほか、プラスミドDNAがらみのありがたい作用があるため、抗真菌剤や抗生物質、抗菌剤にはできない芸当をしてみせてくれるのです。

 

決して何でもかんでもアロマで、ということではありませんので、誤解をなさいませんように。

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