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2016年7月

2016年7月 4日 (月)

ネコに精油が危険だという学術報告がない!?

インターネットが普及し、私ども協会の活動にも様々なご意見やらご批判があります。

なかでも、「猫に精油が危険だという学術報告が一切ない
!」とおっしゃる方もおられます。精油は猫に危険ではない、とまでブログで書かれておられます。学術研究を検索なさったとのことですが、どうぞ、下記のようなキーワードを入力なさってみてください

ugt1a6 cat stop codon

ugt1a6以外にも、猫類には代謝酵素に関する遺伝的弱点を指摘する学術発表を読むことができると思います。オスとメスで、活性が異なる代謝酵素もあります。

肝 臓第二相の代謝の1/3以上をになうugt1a6の活性がないということが学術的に報告されているのです。この報告がなさったのは、動物学者でも、精油の 研究者でもありません。人の薬物動態学専門家が、たまたま、動物園で様々な動物の血液検体を得られたのでしょう。薬物代謝に極めて重要な代謝酵素に関する mRNAの分析を試みて、野生の猫類を含めた検査対象にしたネコ種すべてで、当該酵素の遺伝子の終止コドンに異常があることを報告したのです。

この代謝酵素の遺伝子は、以前は活性がないことから偽遺伝子だと報告されてきました。
他の動物種では使える薬剤が猫では使えないというものがあるように、xenobiotics (薬物や毒物などの生体外異物)に対する反応は、特殊な機構なのです。

私が学生時代に実習をしていた動物病院では、避妊手術をするのに、残酷きわまりありませんが、猫は無麻酔でした。当時の麻酔薬を犬には使えても、猫では事故が多発していたためです。

精油は上記のxenobiotics(ゼノバイオティックス)に属します。各動物種の代謝を勉強することなく、安易にアロマセラピーを実施することは、命にかかわることがあることを認識していただきたいと願っています。

精 油ばかりでなく、洗濯に使う柔軟剤に含まれるカチオンディタージェント;陽イオン海面活性剤も動物たち、特にネコには猛毒になりますので、十分ご留意下さ い。ネコにおける精油はハイドロゾルの危険性や、柔軟剤の危険性は、米国Animal Poison Centerでも注意報が出ています。同センターの獣医毒物学者のDr.Kahnが、以下のサイトでネコとアロマの危険性をわかりやすく解説しておられま す。

http://www.thelavendercat.com/images/PDF-TheLavenderCat_temp_use.pdf

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